「突っ張り棒」のような体軸を目指す
体の重心を適切に位置づけて体軸の骨を立てる
私たちは無意識に「不利な体の支え方」に陥り、体に負担のかかる姿勢を維持してしまうことがあります。
有利(負担がかからない)なのか不利(負担がかかる)なのかは、
① 重心の位置 と、
② 体軸を構成する骨(背骨や骨盤、脚) の状態が適切かどうかで判断します。
不利な姿勢では、体の重心が適切な位置より後方になっています。後ろによりかかるような状態です。
この場合、体軸を構成する骨では、次の3つが起こりやすくなります。
- 骨盤が前にスライドして後傾する
- 背骨が曲がる
- 頭が前方に突出して首を反らす
このような状態は、体に負担を与えるだけでなく、みすぼらしく見える原因にもなり、印象も悪くなります。
有利な姿勢は、体の重心を適切に位置づけて、体軸の骨を立てた状態 の体の支え方になっています。骨と骨がしっかりと接触し、体の重みが、上にある骨から下の骨に十分に伝わっている状態です。姿勢もまっすぐで、美しく見えます。
物でたとえれば、「体軸の骨が突っ張り棒のようになっている」のが有利な姿勢 です。
「体軸の骨を突っ張り棒のようにする」とは、上側からかかる「体重による荷重の力」と、下側からかかる「床からの反力」を「両端からの内向きの力」として体軸の骨を安定させる、ということです。
骨が本来あるべき姿になり、それぞれの骨が体重による重みを適切に受け取るようになると、筋の役割が減るため、筋緊張は最小限で済むことになります。
これにより、背骨や椎間板 (ついかんばん)を変形させるような状態も避けることができますし、内臓への圧迫も少なくなります。肋骨の動きや声帯機能の制約もなくなるので、呼吸や発声がしやすくなります。
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